中文教本を読む-黄涛「咏春拳」第二章-詠春拳の技術原理 -第十二節 腿法

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中文教本を読む-黄涛「咏春拳」第二章-詠春拳の技術原理 -第十一節 歩法

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中文教本を読む-黄涛「咏春拳」第二章-詠春拳の技術原理-第十節 骨格および姿勢の重要性

詠春拳の体位については誤解を招くことが普通である、なぜなら初めて見た又は初めて練習するとき、それは非常に愚かしくかつ不安定に見えるからである。

しかし、これら武術のもつ別の側面と同様に、いったんそこに内在する原理や力学構造を理解すれば、その意味から得るものは大である。

地面(または我らの両足)が両手に関連するという動作の技術原理のみならず、強固な両足に基づいた攻撃と有効な両足に基づいた防守はいずれも最重要であることを理解するに至るだろう。

これら両者は明らかに一緒に発現するのである。

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しかし我々は理解する必要がある、実戦に当たり身体がある姿勢を取るチャンスはいかなる状況で発現するのか、同じでない体位が、相手の心情や形勢にどのような影響を及ぼすか、我々はまたどのように体位を変化させ相手の攻撃をかわし、自身の体位が崩されないようにするか。

詠春拳の練習者は脚で地を踏みしめ、体躯の旋回で得た力量を肩関節を通して前に送ることで速度を増強することを了解しなければならない。

空手道の練習者は尾てい骨(?)の旋回により力量を生み出す。詠春拳では体位と歩法によって高速度と正確な角度を発生させるのであり、重心の前掲移動は使用しない。

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中文教本を読む-黄涛「咏春拳」第二章-詠春拳の技術原理 -第九節 攻防同歩

詠春 三手法

攻防同歩の意味は、一つの手を一つ事に用いる(防守)ことや、他の手を別の事(攻撃)を行うことに用いることでは決してない。

詠春拳において多発する状況下では、攻防の一手において両方の効能を実現することである。

実戦格闘中、相手の拳または蹴りが打ち出されて来た時、いかなる拳法においても対策が存在する、

一般的には第一手でそれに対応し、しかる後の一手で反撃するというものだ。これは先に「防ぎ」次に「攻撃」というもので、どれほど上達しても先手と二手の時間を同時にまで短縮することはできない。

速度と効率の上から言うならば、反撃の時間が長くなることは、戦闘に容易に影響を及ぼす、ゆえにこの動作では自然に一呼吸遅くなってしまう。 

詠春拳はこれに有らず、詠春拳の打法は「防守の中に有りながら同時に反撃を行う」のである、すなわち他の拳法流派が二拍で完了させる動作を、一拍で終わらせるということだ。(実際には完了には1.5拍かかるが。)

相手が拳撃または足蹴りが襲って来たとき、詠春“八法”の手さばきにてその攻撃削ぎ取りつつ反撃をする,相手の同時間に私の手さばきと攻撃が第一手として存在する。

拳法一般においてはまず先にブロックし、後に攻撃となる場合の時間がどのくらいかかるかはあまり考えないし、手さばきと連動した発拳の速度を比べることはない。

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 しかし、戦闘の成否は往々にして「数分の一秒」とか「数百分の一秒」といった僅かな時間で決まるものである。従って少しでも快速に、あなたは先手を取らねばならない。言い換えるならば、詠春拳の打ち出す一手には攻防の両方の意味を備えているともいえる。

これは単純な防御手でなく、もちろん攻撃でもない、つまり「攻撃の中に防御あり、防御の中に攻撃あり」ということだ。

 このように、防御(反撃)は相手に対し同時に行われるともいえるし、相手の攻撃に対しあとずさりや飛び退きする中にも攻撃が存在する、まとめるならば「攻めの中に防御あり、防御中にも攻撃が含まれ、攻防は分離しておらず、防攻もしかり、いわゆる“攻守合一”“消打合一”に注意を払え」ということになろう。

 詠春拳技における無の境地において一撃で相手を倒す、以上簡単に奥義を述べた。

驚くべき速度、これこそまさに詠春拳の威力と奥義のあるところなのである。

中線の防守を通じて、しかし相手の両手を追撃するのでなく、詠春拳の練習者は一つの手腕を用いて相手の攻撃をかわし、いなし、同時に相手の中線を攻撃する。この状況下で通常は、肘部に下への圧力が加わった、相手への手腕の状態が発生する。と同時に掌や手腕は攻撃の自由性を保持している。 尋橋套路のなかで摊手(tanshou)をもちいる動きがこの良い実例である。

(続く)

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中文教本を読む-黄涛「咏春拳」第二章-詠春拳の技術原理 -第八節 触覚反射

咏春拳

(本文は中国書籍 詠春拳 の翻訳である)

詠春拳の持つ触覚反射の特性によって、その技法を以て、詠春拳の練習者は潜在意識的に迅速な動作が可能となる、いわゆる一種の条件反射(有意識の思考過程を通じて至る)となるのだ。視覚反射と比べると、即座により多くの反応をスピーディに使用することが可能だ。

触覚反射のお陰で自分の思考をその他の方面、例えば戦術などに振り向けることが出来、さらなる技術レベルの高みを習得しうるのである。

この方法を使用しなかったら、詠春拳の練習者は脳内に大量の情報を維持しえないし、さらに可能な攻撃法を都度思い出さねばならなくなる。このようにして既に身につけた攻撃特性をもって、適切な防守を繰り出すのである。

触覚反射においてはこれは必要ない工程であり、それゆえ快速となるのだ。

自動反応の原理と過程は我々は目で見て完全理解することはできない。然しながら我々は、科学研究を通じて無意識の反射動作(歩行・自動車運転や自転車運行などの日常動作)が大脳と身体の一種の自動制御によりなされることを知っている。

この手の研究が示すものは、身体内には二種類の動作制御式があるということだ。一つは正確に行動を模倣する方式、もう一つは制御する方式だ。通常の練習中は詠春拳の練習者はあらかじめ細かい動作を定めておいて、その後実戦中には触覚信号に対して即反応することが可能となる。

詠春拳の練習方法は我々の手と腕が訓練によって感覚器官となすことが可能であり、我々は受ける力量の方向や大小、速度などを判別できるようになる。我々の選択する動作や手型は相手の行為の直接結果としてなされる。

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従ってその移動時には我々の手形は適切な調整が必要である。

それに加えて言っておかねばならないことは、姿勢が変化を開始しそれが中間的な動作を経て最終の姿勢を形成することが同じく重要であるということだ。

我々の手腕と身体は衝撃低減作用を担当せねばならない。一つの動作が非常に素早いことで我々に反応が及ばぬようにすることが可能であるし、またはわずかに足りないようにして反応を創り出さないようにする(翻訳?)。様々な状況下で我々は自身の緩慢を必要とし、即発生事態を理解してそれに反応しなければならない。

このように一時的に力量を抑えたりまたは発生させたりする、しかる後新たな同じではない路線に沿って力量を発揮させるのだ。これらは弓道における弦と弾弦の関係と同じ原理で、目標に向かって射るためにはその前に弦を弾き絞る必要があるということだ。

ただ、考えず、即座に反応できるようになることが一層の達人である。

これらは套路を通じてちーさお練習に及んで身につけるしかない、あなたの才能で知覚の俊敏性と技術能力を高めて獲得していただきたい。

(第9節 攻防同歩 に続く)

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中文教本を読む-黄涛「咏春拳」第二章-詠春拳の技術原理 -第七節 簡潔

詠春拳技を成就させるためのこつを一つ追加するならば「簡潔」ということである。

詠春拳は決して各種様々な技法を大量使用することはできない、というよりも練習者は簡単な技法をもって様々な局面に運用することを努力理解せねばならない。この理念を通じて、簡単容易な技法だからこそ様々複雑な状況においても首尾よく対応できるのである。

詠春拳の第一套路である’小念頭’は練習者が熟達すべき盤石の基本拳式であり、この套路は単式 黐手(chishou ちーさお)対錬と密接に関係している。

続いて この基本理念は 第二套路である’尋橋’においてさらに一歩推し進められる、この套路で‘转马(zhuanma つぇんまー)≒反転姿勢 や 歩法、足技が紹介され、同時に進行しながらの両手のコンビネーション手わざ練習、引手練習が加わるのだ。

ちーさおは我々に運動中に自分が所有する技法をいかに組み合わせ変化させ得るかを明らかにすることが出来る練習である。

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この系統だった学習過程によって練習者にとっては目標の理解と設定が容易となるのだ。

練習者にとって一つの等級内容が掌握出来て後に、引き続いて総合と発展の過程に一歩進むことができる。

続いて詠春拳の基本拳式について述べる。(ぼんさお・たんさお・ふっさお)(省略)

(第八節 触覚反射 に続く)

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中文教本を読む-黄涛「咏春拳」第二章-詠春拳の技術原理 -第六節 寸勁および寸拳

咏春拳

(本文は 中国書籍「咏春拳」の日本語訳である。)

詠春拳において’寸勁’の言葉は一種の伝説に彩られている。

先に述べた如く、手腕がリラックス状態を維持することで迅速に運動状態と方向を改変できるようにすることが必要だ。

それゆえ、任意の位置や超短距離から瞬間的に最大爆発力をもたらしうることも重要な能力となる。

正確な訓練を行えば、短時間内に寸勁を掌握することは難しくない。しかし、あなたは打撃力がどこから来るのか、その才能を高めねばならない。シンプルな系統だった練習方法があなたの身体に正確な習慣を形成する助けとなるのだ。

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もしも正確な身体張力、関節の配列とフォームの動きを形成できれば、あなたは移動中の身体重量を利用できる―しかして、ただ手腕の速度と力量だけで相手を攻撃しなくてよくなる。

身体のフォームの助けを借りることで、最小の出力で最大爆発力を確保することが可能となる。

あなたの両足の力量を上体の重量の前方異動に帯同させて攻撃力を増加させ得る、この地面と打撃力の相関関係こそが大変重要な点なのだ。


(以下 ①出拳習練方法 ②注意事項 未訳出)


(第七節 簡潔 に続く)

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中文教本を読む-黄涛「咏春拳」第二章-詠春拳の技術原理 -第五節 力の有効運用(32頁)

(以下は中国書籍 「咏春拳」の 和訳である)

詠春拳は、その快速性と超短距離での爆発力によってその名を知られている。

この技術の肝心なところは、効果的に筋肉と関節の使用を減らす、しかしその目標達成に必要なエネルギーは残すというところにある。

もし、ある人が彼自身の手腕の筋力を誇るため、通常より筋肉を緊張させ、二頭筋や三頭筋を膨張させあなたに誇示したとする。これはみたところ大変パワーがありそうな感覚にとらわれるだろう。しかし、それら相反する方向に筋力が使われるため、そのエネルギーは全く無用のものとなるのだ。

黄淳梁

実際には我々はこのように自問しなければならない、「どの方向への力を比較するのか?」と。

ある重量挙げ選手の準備段階において、彼の二頭筋は完全にリラックスしており、それゆえ必要時に最大のパワーを発揮できるのである。

このことからも、手腕の伸展度合いや発射瞬間の微調整以外には、詠春のストレートパンチにおいて二頭筋を使用できないのである。

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上腕上のいかなる反抗張力も出拳動作を遅らせてしまうのである。

出拳動作において肘部は、肩・腕・手が一直線となるようにポジションされ、これによって打撃の瞬間に最大の運動量或いは張力運用が可能となる のみならず 相手の体内に全ての運動量をつぎ込む一助となる。

其の後、手と腕を戻し即座にリラックス状態に至らしめねばならない。

套路の練習中は、相手の肉体に対し関節の角度含め正確有効な運用で打撃行うことを学ばねばならない。 

個々の拳式に含まれる技法をものにした上に応用があるのだ。

(第六節 寸勁およびに寸拳 に続く)

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中文教本を読む-黄涛「咏春拳」第二章-詠春拳の技術原理 -第四節 肘底力(31頁)

摊手,tanshou

(本文は中文の詠春拳解説書 黄涛 著「咏春拳」の日本語訳出である。)

詠春拳の師父は常々「肘底力」に言及する、またはエネルギーを肘部に集めることが可能であるという。

彼らはこの方式を用いて、生徒に、いかに正確に筋力を使用するか、かつ手腕を緊張させずに、ということを理解させようとする。

肘のポジションは、詠春拳においては大変広範囲に用いられ応用される、例えば、旋回手、引手、防御手、いわゆる膀手(bongshou),伏手(fushou),摊手(tanshou) 削手(xueshou),拦手(lanshou)など、相手の身体をひねり、制御する手法において。

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もし、あなたの手腕が相手の手腕の内側にある場合には、これらは攻撃時においては掌形・拳形に関わらずしっかりストレートに保つ。

もしもあなたの手腕が相手の手腕の外側にあるならば、その時は肘部はセンターに向けて絞る必要があり、それによって掌・拳がわずかに外側にターンする効果が出る。

摊手,tanshou
摊手たんさお

普段は小念頭の習練時にその違いに注意を向ければよい。

(第五節 力の有効運用 に続く)

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