(本文は中文の詠春拳解説書 黄涛 著「咏春拳」の日本語訳出である。)
詠春拳の師父は常々「肘底力」に言及する、またはエネルギーを肘部に集めることが可能であるという。
彼らはこの方式を用いて、生徒に、いかに正確に筋力を使用するか、かつ手腕を緊張させずに、ということを理解させようとする。
肘のポジションは、詠春拳においては大変広範囲に用いられ応用される、例えば、旋回手、引手、防御手、いわゆる膀手(bongshou),伏手(fushou),摊手(tanshou) 削手(xueshou),拦手(lanshou)など、相手の身体をひねり、制御する手法において。
もし、あなたの手腕が相手の手腕の内側にある場合には、これらは攻撃時においては掌形・拳形に関わらずしっかりストレートに保つ。
もしもあなたの手腕が相手の手腕の外側にあるならば、その時は肘部はセンターに向けて絞る必要があり、それによって掌・拳がわずかに外側にターンする効果が出る。
普段は小念頭の習練時にその違いに注意を向ければよい。
(第五節 力の有効運用 に続く)