アクセス出来たので、再開2021/7月

中国に戻ってからすでに半年以上が経過した。が、2月に無理やり更新して以来、アクセスが再びできなくなってしまっていた。
先週だが、地元の若者から方法を教わって試したところ、再びブログアップが可能となったので、まずは再開の連絡であります。

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写真は夏休みの東莞の国道風景、およびバーガーキングの昼食

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中文教本を読む-黄涛「咏春拳」第二章-詠春拳の技術原理 -第三節 中線理論(28-30頁)

中線理論の運用については、前に我々が説明した旋回に対する理解があればさらに容易となるであろう。

ここで概念を簡単に説明すると、まず一本の直線または一個の平面を仮想する、あなたの中心に沿って目標に正対して向かう、通常は目標はその線は相手の身体に至る。

これはあなたの注意力を集中すべき方向と理解できる。

双方が接触しない時間、両手は一方を前、他方を後ろとし、中線上に配置する(図2-3 参照)

図2-3

このようにして相手の力の来る方向について探査する一助となし、さらには自身の旋回方向の感知と使用する手型や動作の選択と確定にも用いる。

もしも中線に対し正確な防御が十分に実施できれば、相手は威圧されて間違った角度の攻撃をしてしまう、言い換えればあなたの中線の両側を攻撃してしまう、これはあなたに正確な防御方式や策略を取ることをより可能とするのだ。

このような状況下で、相手が選択できるのはてこの原理の利用または我々の中線に対する力量の使用だけで、我々はただ旋回によってその力量を利用するだけである。

それゆえに、我々は柔軟性を維持し同時に基本原則に従って、いかなる凶悪精悍な相手に対面してもその状態を保持しなければならない。

もし我が基本原則にのっとり、中線を上手く防衛できるなら、相手は必ずや失敗し、更に攻撃過剰となる。

このようにして我々にとっては十分に彼を打ち破ることができる状態が提供されるのである。

この方式を通じれば、プレッシャー下にあってもこの種の拳法は依然有効である。

中線は我々が移動する際の仮想平面に常について回ることが可能である。そして我々が自身の三角形を簡易に構成する助けとなる。

技術のレベルが近い両人が対戦する場合、過度攻撃、過度防御を用いて相手のミスを誘発するか、更に快速敏捷な身体手法で相手の触感感知前に有利な立場を押さえて勝利を得ることとなる。

上には簡単に記述したが、我々は有効に中線を防御するのみならず、相手方の中線を攻撃しなくてはならない。(’中線に沿っての攻撃’とはちょっと意味が違う)

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これは自身の中線上に自分の弱点が分布しているからというのみならず、中線は相手の身体重心の所在地であり、相手の身体重心を圧迫し、相手の攻撃技術を最大限に発揮できないようにするためである。

我々が相手を打撃するにあたり、我々としてはその打撃で最大の効果を上げたいと希望する。また我々は攻撃中に発生した力を相手の身体に向けたいとも思う。

それゆえ我々が所有する打撃力を相手の身体に及ぼすことができれば、相手が旋回反撃や攻撃力の解消は不可能となるはずである。

これが中線攻撃が必要な理由の一つである。

攻撃が中央に来れば、身体はその力量を減退、吸収するためには、後ろに下がるか、旋回してかわすしかない。

ここでの注意点は攻撃が来るというとき、中線とは力の来る方向からこちらの身体の中心線に連なる線である。

つまり、攻撃が正対した身体に垂直に打入される場合(図2-4)を除いては、自分の身体前部に沿った線と同一ではない。

図2-4

詠春拳の直拳(ストレートパンチ)は自らの中線から発される場合、通常は垂直に相手の身体上に当たる。しかし、相手の手腕の外側から打入するならば、あなたは,攻撃先となる相手の肩部の広さと重心線の方向を考慮し、拳が斜めからでも必ず中線上に当たるよう着打しなければならない。重心線から離れた攻撃は効果がない。

一例をあげると、ビリヤードの選手がマザーボールを色球に当ててその場に静止させたい場合である。この場合の着弾は必ず垂直でなければならず、色球の中心から少しでも斜めにそれて着弾した場合マザーボールは移動しつづける、これですべての運動エネルギーを色球にどうやって移すかの説明となるであろう。

攻撃は必ず相手の身体中線を狙い、相手の旋回余力発生を難しくすべきなのである。こうして攻撃に最大効果を持たせることが可能となる。

最後に3原則を結合して見てみよう。

あなたが旋回し攻撃路線の外に出て、新たな中線にそって、しかし相手の身体中線を狙って反撃を行う。三角形が相手の攻撃をそらす一助となり、同時にリラックスかつ堅固な姿勢保持となる。(図2-5)

図2-5

(第四節 肘底力に続く)

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詠春拳への道  源流を探って 【叶问流派】葉問の師匠たち

wooden dummy

いろいろ調べてゆく中で、(そういえば咏春拳を系統だてて知りたいな)と思いついたのでまとめてみることにした。 

中国内のネットサイトをいろいろチェック。 とはいえ、実際のところはたくさんの弟子がいて、思い思いに道場を開いたり、有名な師父であっても、後継ぎがなく道場は閉鎖、その後いったん途絶えたのち再開したり、今は盛んだが、どこでどのような師父に習ったのか?正式な(その一門内での)免許皆伝されたのか不明なケースも多々あるようだ。

またイップマンはじめ近現代の著名師父に関しては教えた生徒が多すぎてすべてを網羅することができそうもないけれど。

まずは 自分が現在習っている「叶问(=葉問)イップマン」系統を中心として整理してみたい。(なお出典は各種中国ネット、書籍から。間違え・異論あればお教えいただきたし)

0.咏春拳の発祥(伝説含む)における師父たち:

   今回は割愛。

1.叶问 の師匠たち:

A.梁赞(liang zan りゃんざん)1826-1901:

りゃんざん えいしゅんけんおう
梁赞 (liang zan) 咏春拳王


清代晩期 ”咏春拳王“と呼ばれた武術家。佛山で「赞生堂(zan sheng tang)」名の薬局・病院を後継ぎとして経営し”赞先生“と敬愛された。

生来武道が大好きで、幼少のころより様々な師父に中国武術を習ってきたが、

18歳ごろ、梁二娣(liang er di)から”南派少林拳”を習ったことをきっかけに、二娣の師匠である黄华宝(huang hua bao)に師事、“咏春拳”を学び、効率性に非常に感銘を受け、

套路を整理し理論づけを実施。

稼業の傍らひっそりと一部の愛好者と実子に教えた。(実子:梁壁,梁春, 弟子:陈华顺 など)

B.陈华顺(cheng hua shun ちんかじゅん)1849-1913:

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梁赞の弟子。梁赞の死後、教授を開始。彼の教授法は一般的な少林拳と違い、長期にわたり、手わざの練習を実施。

授業料が高くつくため、富裕な子弟しか継続して習い続けられなかったといわれる。彼の最後の弟子がイップマンである。

C.梁壁(liang bi りゃんびい)1845-1920 :

りゃんびい
梁壁(liang bi)梁赞の長男、イップマンの2番目の師匠

梁赞の長男。父とは折り合いが悪かったのか、稼業を継がず香港に移住。

 のちに香港で偶然知り合った学生イップマンと手合わせし、イップマンが「歯が立たないほどの腕前を披露」する。 

その後「ただで教えてやる、その代わり、人に聞かれたときは俺が師父だというのだぞ」という約束で香港留学時代のイップマンを指導した。(イップマン実子叶准インタビューより)

D.吴忠素(wu zhong su うぅ ぞんすぅ)188?-195?:

佛山の富裕な瓦屋の子供。

陈华顺と仲良しな父親がいろいろと华顺を援助していたお返しに兄(小鲁 xiao lu)とともにえいしゅんけんを教えてもらう。

最終的に内室弟子として長年練功しちんかじゅんの継承人となった。

イップマンの兄弟子ということになる。 その後、佛山に拳館をひらき、富裕な子弟を集め盛況であった。

「佛山えいしゅん三雄」とよばれたイップマン、桃才(たおさい)、阮奇山(るあんちしゃん)は彼の道場で互いに切磋琢磨をし技を磨いた。

(なおイップマンの弟子、周光耀 によると阮奇山は吴の弟子であるとのこと)

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中文教本を読む-黄涛「咏春拳」-第一章 第三節 詠春拳的理論心法-4”打手为消”

本文章は私による、中国書籍 黄涛「咏春拳」からの訳出である。

打手为消(dashou wei xiao):


詠春拳は練習者に対し、実戦において

積極的に攻めることで防御を実現することを要求する、

これを称して”打手即消手(dashou ji xiaoshou)≒攻撃手すなわち防ぎ手“という。

対面した敵が攻めてくるとき、

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ひたすら防御するだけでは勝利は得られず、

ただ自分が危険にさらされる時間が延びるだけである。

あなたに残された唯一ベストな選択とは、

相手を倒し、場をコントロールすることで

安全を確保できるということなのである。

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詠春拳への道 その12 三手法について 1

咏春拳に特徴的な手の型式(≒使い方)がいろいろあるのだが、特に重要なものが3種類あり、「三手(法)」と呼ばれる。参考までに以下に示す。

1摊手(たんさぉ)

タンサオ
叶准 老师的 摊手

2伏手(ふぅさぉ)

フーサオ
小姐练习伏手

3膀手(ばぉんさぉ) 

ボンサオ
木人桩での膀手

*歴史的には咏春拳は広東河川を往来する船の中(≒狭い空間)で、個人で修練されてきた拳法(といわれる)、それゆえに「鏡と木人を相手に修行するべし」との口伝が残されているくらいだ。

三手法の紹介

その話との整合性は取れないが、相手があっての対戦練習は「対錬」も存在している。

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なかでも咏春拳独特な組み手練習のことは「黐手(ちーさお)」(意味:くっつき手)と呼ばれ、映画や記録映像を通じてごらんになったかたも多いと思う。

Brece Lee VS Ip Man
叶问 和 李小龙 的 黐手(Chi Shou)

しかし「ちーさお」が練習の性質上、相手と接触し続けながら修練するスタイルであることと、

実戦において別流派の格闘家と相対する場合とでは、間合や距離が変わってくると思われるのだが、

それでも自分から間合いを詰めてゆくものではない(らしい)ので、

えいしゅんけんはこの点で「防御」主体の拳法との(割と短絡的な?)誤解が生じてくるように思う。

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